鋳物ホーロー浴槽・ホーローパネル 他

タカラ 鋳物ホーロー浴槽とホーロー洗面化粧台
DATA
住宅の種類 マンション
建築構造
築年数 築42年
施工地 札幌市中央区
施工日数 6日間
施工年 2021年
施工内容 ユニットバス交換、洗面所内装工事(天井クロス張替え、床クッションフロア張替、壁ホーローパネル貼り)、洗面化粧台交換、給湯器下の収納交換
施工費用 約250万円

お施主様からのご要望

お施主様からは「お風呂が古いので新しくしたい。」「冷めにくいお風呂を希望。」「最後のお風呂交換になるので良いものを入れたい。」という浴室に対してのご希望がありました。
洗面所の壁は「さっとふけて磁石がくっつくホーローパネルを張りたい。(キッチンにはタカラのホーローパネルを使用しているので、同じものを張りたい)」とのことでした。

同居の娘様からは「洗面化粧台が小さいので広くしたい。」とのご要望もありました。

初回現場の様子

洗面所は全体的に物が多く収納しにくい印象を受けました。
ホーローの壁にすると磁石が付くので、マグネット式の棚をいろいろ使えて、スペースの有効活用が出来そうだと感じました。

洗面化粧台は、小さく使いにくい印象でした。

施工後、浴室ドアの幅が広がるので、ドアの横にある給湯器下収納にぶつかってしまいます。そのため収納棚を作り替える必要がありました。

お風呂は、天井裏に躯体で梁がつくられているのでそこをかわす必要があるのと、排水は躯体に埋め込まれていて位置が替えにくいので、工夫が必要だと感じました。

施工前の洗面台・給湯器下収納・浴室
施工前の現場の様子

施工のポイントと施工前後の様子

商品の選定について

お客様は、タカラがお好みでした。特にホーローが気に入っていらっしゃったので、実際にタカラショールームに脚をお運び頂き、見て触れて気に入った商品を選定していただきました。

浴室は「タカラの最高傑作」と言われる最高級品【鋳物ホーロー浴槽】(伸びの美浴室)に決定。
国内外の高級ホテルに使用されるなど「キングオブバス」とも呼ばれるお風呂です。

キングオブバスといわれる所以である鋳物とホーローについて

鋳物
型に熱して溶かした鉄などを流しいれて冷やし固めた製品で、日本では弥生時代頃に鋳物技術が伝わり各地で鋳物作りが行われたようです。
鋳物はつなぎ目がないので汚れや漏水に強く、また、見た目もとても美しいのが特長です。この鋳物の上にガラス質の釉薬を焼き付けて(金属にガラス質を焼き付けた物をホーローと言います)浴槽を作ります。
タカラの高品位ホーロー
ホーロー(琺瑯)とは、金属の表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を焼き付けた素材です。ホーローの歴史は古くツタンカーメンのマスク表面には琺瑯加工が施されていたようです。そんなホーローですが、表面がガラス質であるため割れやすいという欠点がありました。タカラはそのデメリットを克服した高品位ホーローを開発しています。
ホーローは熱・汚れ・キズに強く、磁石がくっつくという利点があります。また油性マジックもシャワーで落ちるほど汚れが付きにくい素材でもあります。
タカラの高品位ホーローとは

洗面化粧台について

洗面化粧台もホーローを使用した製品を採用されました。洗面化粧台下のスペースを収納などとして使用したいという事と、洗濯排水口をかわすという目的のためにもフロート仕様の物を選定いたしました。

洗面化粧台エリーナフロートタイプイメージ

工程について

本来は、浴室・洗面化粧台など全て同時に壊す方が効率が良く施工としてはやりやすいのですが、それだと浴室や洗面を使えなくなる期間が長くなります。ですので、お客様にご不便をおかけする期間をなるべく短くするような工程を組みました。

工程の概要
1日目 浴槽解体
2日目 浴槽組立
3日目 浴室枠付け、給排水電気接続→浴室使用可能
4日目 洗面化粧台撤去、天井クロス床クッションフロア貼り
5日目 給湯器撤去、壁パネル貼り、洗面化粧台取付、給湯器復旧→洗面化粧台使用可能
6日目 給湯器下収納造作、シート貼り、清掃

浴室

施工前と解体後は、梁と排水位置を何度も確認。ミスが無いよう心がけました。
施工前と解体中の浴室
組立時には、全てがとにかく重いので、落としたりしないよう細心の注意を払いました。
浴室施工の様子
お風呂のまたぎは低くなり、使いやすくなったのではないかと思います。
お風呂のまたぎ 施工前後の高さ比較(55cmから45cmに)
施工後の浴室を写真でご覧ください。
浴室施工後
高級ホテルの浴室のような素敵な空間になりました。

洗面化粧台

新しく入れる洗面化粧台は幅が広くなるため、洗濯用の排水口にぶつかる形状でした。
フロート仕様を選択していただいていましたが、それでも数センチぶつかる形状でしたので、事前に何度も採寸し、施工方法を検討しました。
洗面化粧台寸法
最終的に12mmのベニヤ板を排水口をかわす形で張り、その上に洗面化粧台を置く事にしました。
12mmの空間が出来ることにより洗濯排水ホースや排水口のフタの着脱が出来るようになります。
見た目は小さな工夫ですが、解体前は色々な設備がついていて正確な採寸が難しかったため、この部分が一番神経を使いました。
12mmのベニヤ施工後
12mm立ち上がった部分にはクッションフロアを貼ることで、べニアの小口(切り口)が見えないようにしました。
立ち上がりにもCFを貼る
施工後の洗面化粧台を写真でご覧ください。
施工後の洗面化粧台
フロートタイプの素敵な洗面化粧台が入りました。
ヘルスメーターなどをフロート部分にしまうことが出来るので、限られたスペースを有効活用できるようになりました。
また、洗面化粧台のサイズアップを実現しながら、排水口も着脱しやすい状態に仕上がりました。
施工後の排水口周り

内装工事

天井・床は問題なく工事を行えました。
壁は全てタカラのホーローパネルを貼ることになりました。
ホーローパネルは扱いが難しく、カットの際、処理を怠るとすぐにサビてしまう恐れがあるので、施工はメーカーに依頼しました。
三人がかりでとても丁寧に仕上げてもらいました。

ホーローパネル施工中

施工後、磁石で付く棚やティッシュケースなどを使って素敵なUTを実現されていました。

磁石で壁にくっついている棚とティッシュケース

収納棚

既存よりサイズは少し小さくなりましたが、給湯器配管をスッキリさせて、収納量は変わらないように作りました。

給湯器下収納

大工さんがサービスで配管隠しを作ってくれたので見た目もとてもきれいで使いやすい棚になりました。

給湯器下収納

ちなみに… こちらの踏み台も大工さんがサービスで作ってくれました! 感謝です!

サービスで作っていただいた踏み台
お施主様の声

とても高級感があり、お風呂に入るとホテルにいるようで気分が高揚します。
また以前より体温が下がりにくく、寝るまで暖かく感じます。

なにより壁がすべてホーローなので、磁石であれば好きなところに棚などを付けられるので、とても使い勝手が良くなりました。
汚れもすぐに落ちるので、ホーローにして良かったと思います!

担当:堀内 武尊

タカラスタンダード製品には、根強いファンがいらっしゃいます。
その多くはホーローの魅力によるものだと思います。
今回ご依頼のお客様も、キッチンも洗面も壁はすべてタカラのホーロー、そして浴槽も鋳物ホーローにしていらっしゃるので、その人気がうかがえます。

今回特に浴槽は「鋳物ホーロー」という最高級の物を採用されました。
その見た目の美しさや、重厚感(実際にとても重いです)はまさにキングの風格でした。
その分、細心の注意を払わなければならないので、完璧に仕上げて頂いた職人さんにはとても感謝しています。
工場での製造も一台一台手作りするのだそうで、一台一台に製造した職人のイニシャルが入ったシリアルコードが刻まれているそうです。

是非タカラさんのショールームで実際にご覧いただくことをお勧めします!!

営業担当 堀内武尊