音楽を楽しむための防音工事

法律事務所移転工事施工後
DATA
住宅の種類
建築構造
築年数
施工地 札幌市中央区
施工日数 12日間
施工年 2023年
施工内容 防音工事
施工費用 約250万円

お施主様からのご要望

奥様はピアノ、ご主人様はギターを演奏するために、ご自宅の一室を防音工事したい。
クローゼットはそのまま使えるようにしたい。 とのことでした。

施工前の現場の様子

防音工事を希望されるお部屋は、お隣には接していない場所でした。
マンション自体も、楽器・ペット可で、躯体の厚みも十分にある建物でしたので、上階の方への配慮から天井を、それと共用部に接している側の壁をメインに、お部屋全体を防音する形にしました。
室外側への換気は無く、内窓もペアガラスでしたので、外への音漏れはほとんど無いような状態でした。

施工前のお部屋

施工のポイント

天井・壁 防音

天井・壁は、躯体と石膏ボードの間にある空間で音が反響し増幅する「太鼓現象」を防ぐため、可能な限り断熱材を入れることにしました。

壁解体中の様子です。躯体が見えています。

解体中の様子

太鼓現象を防ぐため躯体の間に断熱材を入れていきます。

断熱材施工中

断熱材施工後石膏ボードを張り、その上から遮音パネル12.5を張りました。

(遮音パネルとは、高い遮音性能を発揮するクロス仕上げ対応の壁・天井用遮音下地材です。)

石膏ボード・遮音パネル写真

カーテンボックスは一度撤去して、改めてカーテンがつくところに下地のベニヤを張り、その上から遮音パネルを張りました。

カーテンレール部分

共用部側の壁には、造作の本棚を取り付けるために、下地用のベニヤを張り、その上から遮音パネルを張りました。
ベニヤ自体には防音効果はあまりないのですが、下地は必ず必要になります。
その為ベニヤの上から遮音パネルを張ることにしました。

下の写真は、本棚設置部分のみ断熱材の上にベニヤを貼った後の様子です。
この後、本棚設置部分以外の壁に石膏ボードを貼り、さらに全体に遮音パネル12.5を貼ります。

本棚設置部分の壁

クローゼットも防音パネルを張りました。その分、クローゼット内が狭くなりますので、棚なども縮小しました。

クローゼット防音パネル張り

スイッチ・コンセント

スイッチ・コンセントなども遮音ボックスを入れて、極力音を壁の中に伝えないよう施工します。

遮音ボックス

換気口

換気口部分も同様に遮音工事をします。

換気口遮音工事の様子

防音ドア

防音室のドアを防音専用のドアに交換しました。
防音ドアは通常ドアより3~5㎝程度厚くなりますので、その分壁も厚くなります。
また気密性をアップさせるために、下枠が付き段差が出来ます。

ドア枠下部

今回の施工では、交換する既存ドアの枠と隣接する部屋のドア枠との間にまったく隙間がなかったため、解体時はとても慎重に撤去しました。
また既存より少し幅の小さいドアを設置しました。

ドア交換前後

床の防音

床は防音カーペットを施工しました。

カーペット施工中

本格的な床防音をするためには、既存の床の上にもう一段防音材で床を作る必要があるのですが、
躯体がしっかりしているのでそこまでの必要はないと判断致しました。
べダルの踏み音とピアノ音の吸音を考え、「防音カーペット+ピアノの下に防振ベース」を設置することにいたしました。

本棚造作

楽譜やレコードを収納するための棚を造作。寸法・使い勝手などお客様のご希望に沿う既製品が無かったので造作致しました。

書棚造作

防音工事の結果

工事前に、全ての扉を閉めた状態でお部屋の中で音楽を流し、共用部廊下でdB(デシベル)を測定し、工事完了後にも同じ音楽を同じ音量、同じ条件で流して共用部廊下でdB(デシベル)を測定した結果、最大で約21dB(デシベル)・平均で約15dB(デシベル)音量が下がったことを確認しました。
10dB(デシベル)下がると、人の耳には音量が半分に下がったように感じるそうです。
(測定値はあくまで参考程度です。必ずしもこの数値をお約束するものではありません)

施工前と後の音量の違い

工事前は「曲調がわかる」くらいあった音量が、工事後は「よく聞いてみると何かの曲が流れているな」と思う程度になりました。

施工後の様子

下の写真は、施工後家具を入れる前に撮影したものです。とてもきれいに仕上がっています。

家具や楽器を入れるとこのような雰囲気になりました。
気兼ねなく音楽を楽しんでいただければと思います。

施工後の防音室
担当:堀内 武尊

防音工事はデリケートで、建物やお部屋の状態・立地・使う楽器・ご希望など、様々な条件で施工方法や金額などがかなり変わってきます。ネットなどで「簡単に防音」と謳っている製品などが多々ありますが、それがお客様のご希望に合うかはわかりません。
また施工の難しさから、防音工事を施工出来る業者も限られてます。
まずはご希望からお伺い致しますので、是非ご相談ください。

営業担当 堀内武尊
担当:飛澤 香奈

きれいな水色のアクセントクロスを採用し、明るく爽やかな見た目になりました。
造作の収納棚については、スコア(楽譜)をいくつか平置きできるような収納棚というご希望でしたので、出し入れの際に棚板に手がぶつかってしまわないような加工をしております。
右端は本や雑貨など自由にスペースを区切って使っていただけるスペースとしました。
白木目で上品な見た目に仕上がりました。

営業担当 飛澤香奈