落雪防止のため、せっぴ止めをマンションビルの屋上に取付。せっぴの軽減が期待でき、安全面でも安心です。
住宅の種類 | マンションビル |
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建築構造 | – |
築年数 | – |
施工地 | 中央区 |
施工日数 | 1日 |
施工年 | 2013年 |
施工内容 | せっぴ止め新設工事 |
施工費用 | 約23万円 |
お施主様からのご要望
「積雪量が多いと屋上外周部の低い壁(パラペット)を上回り、雪庇(せっぴ)ができて隣の建物の車に落雪した経緯があり、危険な落雪を防止したい。」とのことでした。
せっぴ止め取付工事のポイント
こちらの写真は工事前のマンション屋上の様子です。雪が落ちて通行人や車にあたる可能性もある状況でした。
屋上外周部の壁は元々十分な高さがありましたが、積雪量が多い場合に
屋上屋根の状態や方角により取付場所なども提案しました。
「雪庇・せっぴ」とは?
雪が積もって
軒に溜まった雪は重さに耐えられなくなると落雪します。
せっぴ止め「アルセッピ」
「アルセッピ」(シンドウ工業)というアルミ製のせっぴ対策の器具を取付ました。
こちらは屋上に取り付ける前のアルセッピです。三角型のアルミ板で手前側に背の高い板がついています。雪風が回り込まないよう風向きを変えるためにこのような形状となっています。
せっぴ止め取付工事
屋上外周部の低い壁(パラペット)の形状や状態、風向きなどを確認して打合せを行い、せっぴ止めを取付していきます。
笠木部分はフラットで周りには障害物はありません。多少のサビはあるもののコンクリートは亀裂などなく下地としては悪くない状態でした。
これからせっぴ止め取付について詳細にご紹介していきます。
■1. 穴あけ
こちらのせっぴ止めは軒部分の下地に穴を開けてねじを付けて固定する方法で取付します。
穴あけをきちんと行わないと後ほど水もれなど別のトラブルを引き起こす原因にもなるので注意が必要です。穴を開ける際に出る粉状のゴミを吸い取りつつ、下に落ちないようにして慎重に穴あけしていきます。
■2.穴の内部清掃
穴の中にスポイトを入れてゴミを吸い取っています。強度にも関係してくるため、ブラシのような道具も使ってしっかり丁寧に行います。
ねじが収まるジャストサイズのキレイな穴があきました。
■3.ケミカルアンカー取付
先ほど開けた穴にケミカルアンカーを挿入します。
ケミカルアンカーとは、ねじをはめ込むベースとなる支柱のようなものです。接着剤でコンクリートにしっかり固定させ強度と耐久性を高めます。
■4.ボルト差込
一つ一つアンカーにボルトとナットを取付していきます。
■5.角度調整
スケールなども使って角度を微調整していきます。ずれてしまうとせっぴ止めの強度や耐久性にも影響してきます。熟練の職人さんによる調整が続きます。
■6.本体設置
いよいよせっぴ止め本体を設置していきます。
穴に合わせて本体をはめ込み、ねじの部分を締めて本体を固定させていきます。最後に高さや角度など取付の状態を確認しています。
取付完了したせっぴ止め
正面から見ても真っ直ぐでゆがみなくしっかりはまりました。
ダークブラウンのようなカラーなので建物の外観を損ねることもありませんね。
落雪があると車や通行人に危害を与える恐れがあり対策が必要でした。
屋上にせっぴ止めを取付したのでこれで一安心できます。ありがとうございます。
昨年の様な積雪量だとまた不安な日々が続くと思いますが、今回設置した事で安心して冬を迎えられるのではと思います。
雪が降り続き根雪(1月頃)の時期が来ましたらご確認に行きたいと思います。