思い出の着物帯をリメイクして畳縁(ヘリ)にしたいとのご要望でした。
お持込みの帯の中には、実際に畳の縁(ヘリ)として使用するには不向きなものもありましたが、飽くまで観賞用の畳の作成のご依頼、とのことで施工が決定しました。
今回はお客様の思い出の詰まった着物の帯を畳縁にリメイクという難易度が高い工事でした。
お預かりした着物帯(左上から)
【一】二十歳の記念の帯
【二】三十路の記念の帯
【三】お母様の形見
まずは着物帯の専門家に依頼し、お預かりしたそれぞれの帯の刺繍柄・厚みなどが縁(ヘリ)加工に向いているか判断します。
それぞれの診断結果は下記となりました。
【一】
■不向き
・刺繍が大きいためほつれやすい
・厚みがあるため縁(ヘリ)のサイズが増し、畳全体の寸法が変わってしまう
【二】
■不向き
・グラデーションのため材料となる赤い部分が少なく、畳縁として使用できる部分に制限がある
【三】
■比較的良い
・刺繍が薄く、比較的畳の縁(ヘリ)に向いている
【三】以外は縁(ヘリ)には不向きですが「生活用の畳ではないため耐久性は気にせずに加工続行を」とのご希望を頂き、弊社独自の工法で施工開始。
使用しなかった部分は返却し、耐久度の違う縁(ヘリ)を持つ、年代別の3枚の畳が出来上がりました。
今回の工事の重要なポイントは、この3枚の配置位置になります。
踏み込みが多く予想される手前の畳には、比較的丈夫である【三】の扇柄帯を使用、 耐久度の低い【一】の青帯と【二】の赤帯は、踏み込みを避けて奥に配置するなど、 帯の劣化を少しでも減らす並びを工夫します。
これで並び順も年代ごとになりました!
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