施工当日に現場を初めて拝見しました。
表替をして7、8年程経過した畳で、毛羽立ちが出始めてていました。さらにワンちゃんにガリガリ掘られ畳表に穴が開いていました。
また、畳表の日焼け具合も強く、場所によって色ムラをおこしていました。
北海道では、「五八間(約176cm×88cm)」という畳サイズをよく使用しています。
しかし、畳には「本間(約192cm×96cm)」という五八間よりも一回り大きいサイズの畳があります。
今回のお客様の畳では、小さな五八間サイズの畳に大きな本間用の畳表を張るという、ちょっと変わった表替を行いました。
五八間サイズの畳には、五八間サイズの畳表を張るのが普通です。
しかし、そこをあえて本間サイズの畳表を張るには、もちろん理由があります。
イ草は先端と根元で大きく品質が劣るため、先端と根元を切り落とし中央部分を使用します。
本間用の畳表は五八間用よりも大きいため、切り落とす部分がより多くなり品質が安定した中央部分を贅沢に使用することが出来るのです。
北海道は五八間の畳が主流なので、その地の利を生かした贅沢が可能なので、是非、皆さんもご利用ください。
そして、上質な畳表を張った際は、是非、4・5年後に裏返しをご検討ください。
裏返しとは、畳表を引っくり返し裏側を使用することです。畳表の裏側は、日焼けしていないため綺麗な青が残っています。毛羽立ちが起こり始める頃(4・5年)に裏返しをするのが最適です。ただし、綺麗な青は残っていますが、イ草の香りは残っていません。
マンションやアパートなどは、建設費用を抑えるため、良くない畳表や畳床が入っている場合が多くあります。
例えば建材で出来た畳床には畳表と畳床が直接接触しないようにするための薄いシートを敷くのですが、そのシートがない場合があります。
今回のお客様はマンションにお住まいの方で、残念ながらシートは入っていませんでした。
畳表と畳床のボードが直接接触すると、ボードの茶色が畳表の裏側に移ってしまいます。 それを防止するのが、シートです。 畳表の裏側が茶色く変色すると、裏返しの際、綺麗な緑色が残っていません。 さらに、色移りが進行すると畳表の表側にまで影響が出てきます。 上質な国産表は、日焼けをすると綺麗な飴色(淡い黄色)に変色しますが、この色移りは、綺麗な飴色の変色を邪魔するものです。
左の写真がシートの無い畳表で、右の写真がシートのある畳表です。
写真を比べると、シートの無いものは、裏側が色移りしており、シートのあるものは、色移りがありません。
また、畳表の表側も色移りの影響で茶色がかった日焼けをしているのが分かると思います。
高価な畳表で表替をした際は、是非、シートを敷くことを強くお勧めいたします。
こちらが五八間の畳床に本間の畳表を入れたお部屋です。
綺麗な緑が端のほうまで均一に広がっているのが分かるでしょうか?
畳の目がくっきりしていて、目の山がぷっくりしているのが、良い畳表の証です。
畳といえば「青い畳」をイメージしてしまいますが、本来、畳と過ごす時間のほとんどは、日焼けをした黄色い畳です。 だからこそ、いかに綺麗に日焼けする畳をご提供し、綺麗に日焼けした畳に関心を持って頂くかが、私達、畳屋さんとしての使命と思っています。
是非一度、飴色に焼けた畳表の良さを味わってみて下さい。
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